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日本の外交政策の変化

「国家の罠」を本屋で見つけたので、即購入。

大上段から外交を非難するものでもなく、ひたすら責任逃れに終始している訳でもなく、まさしく日本戦後外交の基本ともいえる「北方四島返還」についてひたすら邁進した結果、政争と省内の争いに巻き込まれてしまった有能な外務官僚の一手記という感じで、抵抗なくするすると読めました。
特に心に残ったのは、 「小泉政権誕生以降におこった日本外交戦略の大変化」 と筆者が「ポピュリズム現象」と表記している 世論の「ナショナリズム化」 という2点。

元々外務省は親米路線の外交を基本としているが、実は冷戦構造の崩壊とともに以下の3つの流れができたと筆者は指摘していた。


  • 冷戦の勝利者であるアメリカの独占が続く(パクス・アメリカーナ)のでその潮流にのろうという、 狭義の「親米主義」

  • 冷戦の終結とともに、日米欧州の国家エゴイズムがむき出しとなりアジアは不安定な状態になる。そのため、アジアの大国である中国との安定した関係を作ろうとした 「アジア主義」

  • 日本が存在するアジア太平洋地域を地政学的に見て、日本/アメリカ/中国/ロシアの4大国によるパワーゲームが行われるだろう。その際、最も距離があった日本とロシアの関係を改善しようという 「地政学論」



筆者や鈴木宗男氏が押し進めていたのは3番目の方針だったのだが、田中前外相との政争に破れ「地政学論」の流れがなくなってしまった。
次に、田中前外相の失脚とともに「アジア主義」も後退し、結局今の限りなく冷戦の論理に近い対米追随路線が規定事項となってしまった。
このことが、その後どのような結果を生み出してきたかは言うまでもないことでしょう。

次に、ポピュリズム現象によるナショナリズムの昂揚について。
これは、経済政策がうまくいかないときに外交問題を解決することによって政権維持を図ろうとするときの副作用のようなもので、その外交政策が思うような結果が得られなかったときに世論の怒りがそのまま排外主義的ナショナリズムにつながっていくという構図です。
これは、まさしく今日本が陥ろうとしている危険な道であり、ネットなどでは既にナショナリズムが声高く叫ばれているような状況である。
# 韓国や中国は既にこの状況に陥っていると、
# 個人的には思いますが

ナショナリズムとパトリアティズム(愛国主義)は、よく混同されがちで私自身もその定義が曖昧だったのですが、筆者によるとナショナリズムはあくまでも「自国中心・排外主義的」であり国際協調とは全く相容れないものだそうです。
一方のパトリアティズムは、排他的な思考は却って国益を損ねると考えられるため、国際協調の枠組み内で最大限の国益を求めることになるとのこと。


これからの日本の外交政策他が、パトリアティズムなのかナショナリズムなのかを慎重に見極めなければならないことだけは確かである。

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Tracked on Saturday, April 09, 2005 at 00:17

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